2011年2月17日木曜日

カロリー計算のウソと栄養学に関するわたしの三つの非常識な疑問

栄養について話すのは難しい。栄養学っていうのは、つまりは生化学で、これは今現在も世界の最先端科学者がしのぎを削って研究している分野だ。要するに、まだまだわからないことがいっぱいある。

しかも、ことは生きている人間のからだの中でおきることだ。できる実験は限られている。何かを食べた後、本当に体内でおきていることを観察するのは、難しい。

たとえば、カロリーっていうのは、みんな聞いたことのある概念だと思うけど、実はこんな基礎的なことも、本当はよくわからないことだらけ。ある食品のカロリー量をはかるには、それを熱が漏れないようにした箱の中で燃やして、その温度変化を調べるんだけど(正確にいうと、こういう実験さえしないで、単純にその食品に含まれる炭水化物、脂肪、タンパク質の量から計算するのがふつう)、実際に私たちのからだの中でおきているのは、単純な燃焼ではなく、複雑な化学変化だ。

最終的産物が同じ(水蒸気、炭酸ガス、燃えかす、そして熱)だからって、この二つの全然違う過程を同じに扱っていいのか?

いいはずがない、とわたしは思う。

そして、体内の化学変化(代謝)には、個人差がある。同じ人でも、季節や、運動量や、ストレスレベルや、その他いろいろな影響で、条件が変わってくる。

だから、カロリーや栄養について、本などの表記を丸暗記していても、役に立たない。(生物学の基礎知識は役に立つけど) たとえば、卵一個は80kcalということになっていても、代謝のいい人と悪い人、卵がからだに合う人と合わない人、それぞれ、反応が違う。その卵をいつ食べたのか、何と一緒に食べたのか、おいしかったのかどうか、によっても、反応は変わってくる。

ことのついでに、わたしが今、栄養について不思議に思っていることを書いておこう。

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私たちのからだは、タンパク質と脂肪とミネラルでできている。脂肪は脂肪細胞にあるだけでなく、すべての細胞の細胞膜を作っているし、ホルモンなども脂肪から作られる。大切で必要な栄養素だ。そして、骨などはミネラルでできている。

だけど、炭水化物でできているところは、ない。炭水化物は、純粋に熱量のためにとっているわけだ。

だったら、からだの修復のために使われるタンパク質や脂肪のカロリー量を、なぜ気にする必要があるのか?燃やすわけじゃないのに。

暖房に使うガスや電気の熱効率は問題にする意味があるけど、お家の修繕のための材木は、燃やしたらどのくらい暖まるのか気にするだろうか?


からだの修復に必要な以上のタンパク質をとると、余分は燃やして処理しないといけない。(ほかっておくと、腸の中で腐るからね)タンパク質には窒素が含まれているので、この燃やす過程で出てくる窒素化合物(燃えかす)を安全なものにさらに変えて、速やかに排出しないといけない。(アンモニアなど、窒素化合物の多くは、有害)だから、タンパク質の食べ過ぎは、腎臓などに負担をかける。

だけど、脂肪は、炭水化物と同様、きれいに燃える。しかも、炭水化物よりゆっくり燃える。だったら、エネルギー源としては、むしろ脂肪の方が好ましいのではないのか?酸化した脂肪やトランス脂肪酸などの人工の不自然な脂肪は、からだに悪いけど、たとえばローの種実類の脂肪は、からだにいいんじゃないのか。

この問題を突き詰めていくと、炭水化物・タンパク質・脂肪の理想的な摂取の割合は、どのくらいなのか、という話になる。(割合だから、合計は100%ね。低炭水化物・低タンパク質・低脂肪という食餌はありえない)

で、みんな「低脂肪高炭水化物」がいい、って、常識みたいにいうけど、本当に?(たとえば、日本では、6:2:2がいい、といわれているらしい)

からだの修復に必要充分なタンパク質と脂肪をとった後、エネルギー源としては、炭水化物でも脂肪でもいいんじゃないの?いや、ひょっとしたら、良質の脂肪の方がいいんじゃないの?(もちろん、総エネルギー量が、不適切な体重増加をおこさない範囲で、のはなしです)


そこで、脂肪の消化吸収に関して調べてみた。動物性脂肪(あの、冷えると白く固まる脂肪)は、私たちの血管内であんな風に固まって、動脈硬化をおこすのか?

これ、どうもよくわからないです。脂肪は、まず胆汁と混ざって乳化する、つまりまわりの水溶性の消化物とよく混ざる状態になる。それから、膵臓からリパーゼという酵素が出て、脂肪酸という小さい分子に分けられてから、小腸で吸収される。

つまり、血流に吸収された段階では脂肪酸。脂肪でなく。

この脂肪酸が、血管内で再び固まるためには、どういう条件が前提になるのか?はっきりした説明は、見つけられませんでした。「脳の栄養不足が老化を早める!」(溝口徹/著)などによると、フリーラジカルによる酸化が関係しているらしい。

ちなみに、脂肪の摂取量とコレステロール値には、直接の関係はないようです。私たちの体内のコレステロールのほとんどは、肝臓が自主的に作っているもので、むしろ、食べ物としてコレステロールをとらないと、それを補おうとして、大量のコレステロールを製造してしまうようです。たとえば、このローフード完全菜食主義の指導者は、血液検査で高コレステロールを指摘されています。

つまり、私たちは動物だから、食べ物としてコレステロールをとろうととらなかろうと、ある程度のコレステロールはあって当たり前ならしい。このへん、アボカドより牛さんに似ているわけ。それなら、なんで動物食を敬遠しないといけないのか?

以上、浅学なわたしの常識に対する疑問です。どなたか、教えてください。



写真は、先月、ホールフーズでとったもの。わたしは、カニは食べないけど(理由はまた説明します)、写真としてはおもしろいよね。冬が旬だし。アメリカにしては珍しく、頭のついた魚もおいてある。

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5 件のコメント:

  1. おもしろいですねー、すんごく、すんごく、おもしろいですね!
    私も栄養学偏重の現代、とても変だと思います。
    ムスコが食物アレルギーだから病院の栄養士(それも主任クラスね)と話したことがあるのですが、ほんとうに何も知らない。
    ○○が何カロリーというのは知っていますけどね。

    アケミさんがおっしゃる通り、「燃やした熱量」と「人の身体の中で代謝されること」はまったく違うことですし、それをそもそも同列で語ることがおかしいですよね。

    それに、食べ物を単体で食べた時と複数で食べた時には身体の中で代謝も何もかも変わっているはずですよね。
    単に、カロテンは油と一緒にとると吸収が良くなります、という話じゃなくて。

    これって、単独で食品添加物の安全性を動物実験していて、複数で使った時に何が起こるかには意識的に目をそむけ、「安全」+「安全」=「安全」という仮定でどんどん使っていく社会って、いかがなものなんでしょうね。

    食に対する短絡的な考え方って、人間が自分自身の首をしめるような気がしてなりません。

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  2. 栄養士だけじゃないですよー。医者もあまりわかっていないです。
    えららんさんの息子さんのように、検査では「アレルギーはおきないはず」なのに、実際に苦しんでいるのを、どう説明するのか?「例外的」とかいって切り捨てるのでなく、ちゃんと説明できないのは、現在の栄養学や医学の知識に不足があるからじゃないのか?という、謙虚な見直しが必要だと思います。

    この記事で、「炭水化物より脂肪の方が、エネルギー源としてはいいかも」って書いたのも、ひとつの問題提起で、実際はケースバイケースだろうと思います。ただ、あまりにも、いわゆる常識を鵜呑みにしている人が多いので。

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  3. ああ、なるほど。確かに。
    栄養の世界もそうなんですね。
    心療内科の世界もそうですよ。

    うつ病の人に抗鬱剤を処方することで
    どんどん鬱症状が重症化していくというやつ。
    薬をやめたら、1年で治ったと。
    10年間苦しんだあの時間は何だったのかと

    っていう話がありましてね。

    カロリー計算してダイエットしてリバウンドでどんどん太っていく人って
    なんか、このうつ病患者の話に似てるなと思いました。

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  4. 何が、まだ「わからない」のか認識することは、健全な態度でしょうし、そうすることで理解を進めることができると思います。わかっているつもり、で、あれこれしてしまうのは、こわいですね。

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  5. 例外が起きたら、その例外に対してもきちんと対処しないといけないんです。
    少なくとも、プログラマーは例外的な状況が発生しても
    それに対応するようにコーディングしています。

    例外が発生した時点で、それを「例外だ」として匙を投げるなんて
    プロ失格ですよ。

    とっとと、免許を剥奪しなければw

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