2011年2月22日火曜日

菜食主義は本当に健康にいいか?

はじめにいっておきたいのは、わたしは昨年までの二年間、ほぼ完全な菜食だったこと。だから、「お肉が好きで、食べ続けたいから、菜食主義なんて認められない!」なんていう短絡的な立場から、この記事を書いているわけではありません。

いや、今だって、菜食で本当に健康でいられるのなら、そうしたいです。わたしのために動物が死ぬのは、かわいそうだから。

また、何をどのくらい食べるのか、って言うのは、結局は各自が自分の体調と相談して決めることで、菜食でうまくいっている人を批判する気は、全くありません。肉食だろうと菜食だろうと、友達は友達です。

ただ、「お肉はからだに悪い!」と、盲目的に信じている人がいるので、こういう見方もあるよ、といいたいだけ。

わたしの場合、ローフードの菜食を続けていて、はじめはよかったけど、その後、体重の激減、食物アレルギー、甘い物の過食などに悩まされるようになりました。このへんのことは、もうこの記事この記事に書いたので、興味のある人は見てね。コメントからして、同じ問題に悩んでいる人は、結構いるみたい。

思うに、菜食できちんと栄養を取るためには、相当気をつけて、サプリメントなども使わないと、むずかしい。

いや、もちろん、例外的な人もいます。青汁だけで何年もくらしている人とか。うらやましいことです。でも、わたしは、ふつうのからだの持ち主のようです。

菜食主義でおこりやすい栄養障害


タンパク質の不足。
たとえば、鶏肉100グラムにはタンパク質が20グラムあり、アミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランス)は100、完璧。対して、豆腐100グラムには8グラムで、アミノ酸スコアは68(メチオニンが足りない)。だから、メチオニンを補ってやらないと、そもそも8グラムしかないタンパク質のうちの68%しか、使えないわけ。(しかも、これはにがりで固めたお豆腐の場合。スーパーでよく売っている水増しした豆腐の場合、タンパク質はさらに少ない。)

ローフードで、タンパク質源は種実類が主になると、問題はさらに難しくなる。実際問題として、スピルリナなどのサプリか植物性のプロテインパウダーをとることになるだろう。

菜食で十分なタンパク質をとることは、不可能じゃないけど、かなり計画的にやっていかないとむずかしい。(では、どのくらいのタンパク質をとればいいのか、という問題は、また別の記事にします。長くなるので)
追記タンパク質の必要量、記事にしました。参考にしてください。


必須脂肪酸の不足。
EPA (エイコサペンタエン酸) とDHA(ドコサペンタエン酸)は、動物の体内で、ALA(アルファリノレン酸)から作られる。だから、理論的には、 ALAの多いフラックスシードやチアシードやエゴマをとっていれば、自分の体内で作れるはず。

でも、体内合成の能率は人によって違う。それがうまくできない場合、お魚が体内で合成してくれた EPAやDHAに頼った方がいいかも。フラックスなどを餌にした鶏の卵もいい。また、DHAを作る藻があるそうで、それをサプリにするのも一案。


その他、ビタミンB12やD、カルシルム、鉄分、亜鉛などの不足。


動物性食品をとらなくても、コレステロールは体内で合成されるし、場合によっては完全菜食にも関わらず、コレステロールが高過ぎになる場合もある。

このへん、何度も引用して恐縮ですが、この記事の実例も見てね。

それから、「お肉」と一言でいっても、いろいろです。残留農薬たっぷりの餌やホルモン剤で育ったお肉と、昔ながらの健全な育ち方をしたお肉とでは、健康への影響は、全然違う。これに関しては、こちらの記事を見てください。

菜食主義の問題点は、栄養障害だけではないので、残りは明日、書きます。

追記:菜食主義を考えるシリーズのまとめ編、こちらです。この記事の続きなどありますから、見てやってください。


散歩道からの一風景。すいません、ここのところ、オレゴン的な雨続きで、ゆっくり散歩とかしてないんです。がんばって、もっとおもしろい写真を撮りにいかないと。

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12 件のコメント:

  1. アケミさん、今日の記事も非常に興味深く読ませていただきました。

    タンパク質に関して、実は、素朴な疑問があるんです。タンパク質を消化吸収しやすい形で摂るには何を一体どうすればいいんだろう、という...。

    というのも、よく、「未消化のタンパク質が小腸に入ること、腸内で腐敗することがアレルギーの原因」と言われるのを読んだり聞いたりするので。

    動物性食品に関して私が気になるのは、調理法によっては、加熱が過ぎて、タンパク質が消化しにくくなってしまうことはないのだろうか、ということなんですが、アケミさん、何かいいコツをご存知でしょうか。

    (これまでにもいくつか試してみたんです、パイナップルジュースに肉を漬け込んでから軽くボイルするとか、青パパイヤとサラダにするとか。まだまだ実験途上です。ちなみに、私は、豆腐が苦手だったんです、ずっと胃に残っている感じがあって。でも、”塩麹豆腐”は、なぜか、非常に消化しやすい気がします。...こういう風に、自分の体に聞いていくしかないんでしょうかね...。)

    誰にも聞けずにきた個人的で素朴な疑問(一応調べはしたんですが、よくわからずじまいで)。聞いてもらっただけで結構満足しています :))) いつもありがとうございます。 T

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  2. 何度もすみません、上記のコメントに「未消化のタンパク質が小腸に入ること」と書きましたが、「未消化のタンパク質が小腸から漏れて体内に入ること」と書くべきところでした。訂正させてください。<(__)>

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  3. 肉の消化しやすい調理法ーーいい質問ですよね。わたしもいろいろ調べましたが、人によっていうことがバラバラです。ローのナッツ類にあるタンパク質は、ナマだから消化しやすい、っていう人もあれば、よく調理した、たとえばスープがベスト、という人も。

    わたしの経験では、スープはとてもいいです。あと、なんとなくですが、牛肉より鶏肉、鶏肉より魚が、ラクな気がします。

    それから、「未消化のタンパク質が小腸から漏れて体内に入ること」っていうのは、つまり、リーキーガットのことですよね。そもそも、消化できようとできまいと、分子の大きいタンパク質が、そのまま吸収されてしまうのは、異常です。それは、つまり、小腸の絨毛に炎症があるということ。だから、その回復が先決だと思います。leaky gut は、様々なアレルギーの根本原因らしいです。

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  4. うちゅうねこ2011年2月22日 22:39

     アケミさま☆
     あの、ひとつ気になったのですが「動物が死ぬのはかわいそうだからψψ菜食で本当に健康でいられるのなら、そうしたいです」と発言されていらっしゃいますが、理由のひとつは動物の感情表現が、人間にとって、動きや声などで植物よりもリアル、に感じるから、心苦しくて、植物は生存環境が比較的、ナチュラルで健全で、かつ無口だから安心しやすい、ってことなのでしょうか。見える害・潜伏している害も含めて。…統計や科学に基づいたこと(栄養素・添加物・効用など)が現代人には必要不可欠な情報である、かとも思いますが、なんか根本的に本末転倒だと思いました。…この点は、摂食障害やらアレルギーなど不具合の根本要因にも、関係していると私は感じています。人間の潜在的な傲慢さに心が痛いです。いずれにせよ生命力はたくましいものです。拝☆

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  5. アケミさん、お返事ありがとうございます。アケミさんは、ヘンプシードもうまく食事に取り入れていらっしゃいますよね。

    はい、まさにそのリーキーガットを自分で疑っていて。でも、小腸の傷ついた繊毛を修復するといっても雲をつかむような話で。いろいろと考えた末、タンパク質は消化しやすさを考えて積極的に摂りながら小食を心掛け、様子を見ようと今は考えているのです。

    小腸って、調べれば調べるほど、大事な器官らしいですね!いたわりがいがあります。

    (アケミさんの記事の本来のテーマから話をそらしてしまってすみません (汗)...)

    T.

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  6. Tさん、
    リーキーガットって、(アメリカでも)まだあまり理解されていなくて、手探り状態ですよね。わたしが心がけているのは、
    1 これ以上小腸を荒らさないように、アレルギー源を避ける。
    2 十分なタンパク質をとる。
    このブログでも、時々食物アレルギーの話、書いてます。重要な問題点を思い出させてくれて、ありがとう。

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  7. うちゅうねこさん、

    そう、植物にも生命はあるんですよね。そして、動物をあえて食べていくたくましさが大切なんでしょうね。動物を食べるのは野蛮で、植物ならいい、っていう差別心が、摂食障害やアレルギーの根本にある、っていうのも、ありうるなーと思います。

    ただ、わたし、自分で少し園芸をしていて感じるんですけど、植物って、食べられるのを喜んでいるような気がします。少し脇芽を摘んでやると、すぐにまた新しい芽を出すし。果物なんて、動物に食べられるからこそ、他の場所で芽が出せるわけでしょう?食べられるのを喜んでいる、っていうのが言い過ぎなら、食べられることによるロスを見越している、っていうか。そういう寛容さを感じます。

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  8. いつも拝見しています。

    アケミさんのおっしゃること、共感できることが多く、いつも参考にさせて頂いています。
    でも、今回の「植物は食べられることを喜んでいる」はちょっと首を傾げました。
    それって結局、欧米の人が「イルカは友達だから食べてはいけないけれど、豚は食べられるために存在してる」というのと同じではないですか?
    喜んでるって、どうしてわかるんですか?
    植物だって、一生懸命成長して種を落とし、すごいエネルギーを使って子孫を残そうとしていますよね。食べられるのを喜んでいるはずはないと思います。
    肉食は駄目で菜食はいい、と言っている人と、変わらない物言いではないでしょうか。
    「動物愛護のために菜食をしている。自分たちは殺生はしていない」と言う人を見ると、本当に嫌な気持ちになります。

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  9. はじめまして、アケミさん。

    体重の激減があるということは、カロリーが全く足りていないということだと思いますよ。甘い物の過食もそのせいだと思います。そういう状態では栄養失調になるのは当然だと思います。その点では菜食とは関係ないと思います。しかし完全な菜食を長期的にしていると、ビタミンB12が不足しホモシステイン値が上昇するのは確かなようです。これはサプリメントか、動物性食品が必要になりますね。オメガ3系の脂肪酸のことも含めて、たまに魚を食べるようにしたらよいのではないでしょうか?ビタミンDも摂れますし。それと、カルシウムなどのミネラルは葉物野菜や豆類などから十分に摂ることができます。
    メチオニン(アミノ酸スコア)に関しては、ここを読んでいただきたいです。
    http://www.daizutanpaku.jp/category1/cat1_02/index.html

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  10. あー、レス遅れてましたね。
    はじめの方、動物でも植物でも、生命があって、私たちの生存はその他の生命を奪うことで成り立っているんですよね。ただ、わたしはそれが罪深いことだとは思っていません。
    植物が喜んでいるのかどうか、ケースバイケースだと思います。果物は、食べてもらうことで、タネを遠くに運んでもらっているわけだし。記事の中でも書きましたが、喜んでいるっていうのが言い過ぎなら、そういうことまでゆるしている寛容さというか。

    次のアノニマスさん、
    そうですね。ホモシステイン値って、ビタミンB12と関連しているんですか。勉強になりました。ありがとう。

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  11. 普通の人間は菜食で大丈夫だと思います。
    普通はサプリもいりません。
    体重の激減や甘いものの過食は菜食と直接関係はないと思います。
    もともと肉が好きな人が20歳を超えてベジタリアンなどをやると
    何年かして辞める人が多いらしいです。肉を食べられないストレスや
    肉を食べたい理由を菜食が健康不良だと繋げ、再度肉食、そして二度とベジタリアンにはならないと。
    まあもともと20歳を超えて菜食になることも少ないらしいですが。
    B12は肉を食べる方が減るという話は有名らしいですね。
    僕はフルータリアンもしくは兼たまにヴィーガン、になることをオススメします。

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  12. カルシウムは牛乳などの動物性食品よりも、ナッツや小豆などの植物の方により豊富に含まれています。
    私はヴィーガンとして長い間生活しておりますが、体は健康になってゆくばかりですよ。

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