2011年4月4日月曜日

依存症の治療

はじめに断っておきますが、私は医者ではありません。いや、依存症治療っていうのは、本職の医師でも手こずるような、大変なことなんです。だから、この記事は、あくまで参考として読んでくださいね。

依存症とドーパミン」で書いたように、依存症は、現代の難病です。「そのものごとが好ましくない結果につながるとわかっているのに、やめられない状態」が依存症ですから、依存症のために、生活に支障が出たり、健康を害する場合もある。それでもやめられない。しかも、現時点では、医療関係者のほとんども、依存症の深刻さを理解していません。

たとえば、江部先生のブログによると、糖質制限食で糖尿病を治療しようとする場合、かなりの数の患者さんが、脱落してしまうんだそうです。いいですか、すでに、糖尿病を発症している人ですよ。合併症がでたらどんなに大変か、本人もよくわかっているんですよ。そして、本人の意思で、この食事療法をしようとしているんですよ。それなのに、ある食べ物(この場合、ごはんやパンや麺類)を食べないでいることができない。

統計には出てこないけど、依存症のために病気になるひとって、すごく多いと思う。依存症は、他のいろいろな病気の元にもなるんです。

で、今日はその治療の話です。

米国には、アルコール依存症などの治療専門の施設がありますが(映画とかで、見たことあるかも)、こういうところでは、はじめの約一週間は、入院、それも家族との面会も許されない完全隔離状態の入院をさせます。だって、治療を受けようというほどの人は、すでに相当重症の人で、この場合、少しずつ問題の物質(アルコールとか)を減らす、という方法は無効なんです。だって、もうドーパミン受容体が減っていて、少しとったくらいでは効かないから、少しとったらもっと欲しくなってしまう。

だから、思い切って、完全にやめさせます。そうすると、心身ともに混乱して、禁断症状のため、場合によってはとても危険な状態になるので、入院している必要があるんです。

また、問題の物質や行為でドーパミンを出させることをやめると、しばらくの間ドーパミンが極度に不足して、鬱状態になります。

家族に会わせない、っていうのは、家族がかげでアルコールを与えたりすることを防ぐ、っていう意味もあります(信じられないようなことですが、これ、おきるんです。泣いて頼まれたりすると、つい、「ちょっとならいいかも」と思ってしまうらしい)が、その他に、家族が「元気になったら、こういうことしようね、こんないいこともあるよ」なんて元気づけると、鬱状態の患者は「みんなのいうとおりだ。それなのに、何のやる気も起きない、夢も希望も感じられない自分は、なんてダメな人間なんだろう」って悲観して、自殺を企てたりする場合もあるからです。

で、ここからが書きにくいんですが。。。この状況を脱出して依存症を克服する方法って、どうも、現時点では確立していないようです。つまり、からだが回復して、自然にドーパミンがでて、働かなくなっていたドーパミン受容体が再開するのを待つしかない、ということ。

回復するまでの手助けとして、相互扶助グループとか、カウンセリングとかはあるし、オーソモレキュラーでは、アミノ酸系のサプリメント(特にチロシン)をとることで、回復を促せる、としていますが。(チロシンはドーパミンの前駆体)

さらにいうと、これだけ苦労して、いったん問題物質と手が切れても、安心できない。依存症のレベルが1から100まであるとして(1が一番軽症)、70の段階で治療を受けて、問題の行為をやめられたとしますよね。ところが、その後(場合によっては何十年も後に)再びその問題のものごとに手を出すと、1から再開するのでなく、70からなんだそうです。

依存症って、その問題行為をやめることはできても、根治することはできないようです。だから、相互扶助グループなどは、続けるといいようです。

どうして、いったん依存の対象物をやめても、潜在的な要素がなくならないのか。もう禁断症状が問題になる時点はとっくに過ぎているのに。

これ、まだはっきり解明されていないようです。長期間、問題の物質を使用したために、そのものの代謝システムが健常人とは違ってきてしまっていて、体内で一種の毒をつくってしまうからとか、ある種のタンパク質を生成する遺伝子が活性化したり、逆に不活性化することで、脳内環境が変わってしまうからとかいわれていますが。でも、これだと、すべての習慣性物質に同じことが起きるのか、あるいはものでなく行為に依存している場合どうなのかとか、よくわからないんですよね。

ただ、どの場合も、ドーパミンの学習強化作用と記憶の影響はあるようです。

ドーパミンは、実際に目当てのものが手に入った段階で出るだけでなく、それが手に入りそうだと期待した段階、あるいは、報酬に導く手がかりに気づいた段階で、出てしまう、というの、前回説明しましたよね。

つまり、アルコール依存症の人の場合だと、お酒を飲んだ時にドーパミンが出るだけでなく、お酒の自販機を見たとたんに、過去の記憶から、出てしまう。いや、飲もうかな、と思って、以前に酔っぱらった時を思い出した段階で出てしまう。その、はじめのドーパミンが呼び水になって、実際にお酒を手に入れる行為に走るわけ。

だから、潜在的に記憶がある限り、依存症が再発する下地はあるわけ。

念のために行っておくと、ここでいう記憶というのは、好ましい思い出である必要はないんです。もうやめようと決心したのに飲んでしまったときの自己嫌悪の記憶でもいいんです。要するに、ドーパミンが出たことを記憶していれば、そこに至るまでの不快感や困難は問題にならないの。

根治できない以上、依存症っていうのは、常によくなりつつある状態を維持するしかないわけです。次回はそのへんのことを書いてみます。

)この記事では、依存症一般の話をしています。甘いものの過食が、どこまでこの一般論と対応するか、二度と甘いものを食べてはいけないのか、はまた別問題で、わたしとしては、その判断は保留したいと思います。また、治療法のひとつとして入院する場合もある、ということを書きましたが、入院しなくては治らない、という意味ではありません。

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オレゴンにはいろいろな種類の桜がある。ピンクのは、2月に咲き始めて、雨の中、満開になり、散ってしまった。この白っぽいのは、日本のソメイヨシノに似ているよね?今が満開。


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4 件のコメント:

  1. 依存症に限らず、精神的な病気って「はい、これで完全に完治しました」っていうのはないような気がします。鬱と過食症でカウンセリングみたいなことをしたとき「感情はコントロールできません(過食したい、とか死にたいとかという感情が湧き上がってくるのはどうしようもない)。でも、行動はコントロールすることは出来ます。」みたいなことを言われたことを思い出しました。

    記事を書くのって、このような記事とか特にエネルギーいることだと思います。いつもありがたいな。と思います。アケミさんありがとう。

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  2. ももです。ごめんなさい・・・。また、やっちゃいました。名乗るの忘れていました。「依存症に限らず、精神的な病気って~」のコメントは私、ももです。

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  3. ももさん、
    ええ、はっきり言って、この手の記事は大変です。でも、自分自身のために、どっちみち調べていたことですから、書いて整理して、できることなら、同じことに悩んでいる人のお役に立てば、と思っています。いつも応援してくれて、ありがとう。

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  4. すごくわかり易く、ためになります。

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