2012年2月18日土曜日

アメリカ南部の料理

テネシーからオレゴンに移って、もう4年以上経つので、忘れないうちに、南部料理のことを書いておこうと思う。

昨日も書いたけど、アメリカ南部って、特別なんです。私が嫌いなことから先に書くと、排他的で、頑固というか、昔からのやり方にこだわること、その旧態依然な生活ぶり。南部の栄光の時代は、南北戦争の前、プランテーション華やかなりしころで、その後の100数十年におきたことは、できればなかったことにしておきたいと思っているらしい。

ところが!こと、食べ物に関しては、この昔ながらのものや方法を頑固に守り続ける、という態度がプラスになるのだ。しかも、もともと農業の盛んなところだから、土地にあった食材には事欠かないし。(南部というと、綿花とタバコのイメージがあるかもしれませんが、それだけでなく、自分たちの食料も作っています)

代表的な食材は、サツマイモ(中がオレンジ色の)、いろいろな豆、特に黒目豆とキドニービーンズ、そのサツマイモを食べて育つ豚肉と、豚肉を燻煙して作るカントリーハムやベーコン。

食事の流れとしては、

まず、飲み物だよね。下戸のわたしは、レストランに行くと、大抵アイスティーを頼むんだけど、南部では、気をつけて「甘くないアイスティー」といわないと、前もって甘くしたのが出てきてしまう。つまり、甘いアイスティーが普通、ということ。

お酒がいけるクチには、南部のバーボンウイスキーとかがある。

前菜、というような上品なものがあるかどうか、これもケースバイケースですが、まあ、食事を待つ間、ピーナッツのゆでたのでもどうでしょうか。レッドネックキャビア(黒目豆やコーンをトマトと混ぜた、サルサのようなもの。レッドネックというのは、首筋が日焼けした人、つまり労働者階級のこと)や、オクラにコーンミールの衣をつけたフライが出てくることもあるかも。

レストランだと、コーンブレッドやビスケット(クッキーのようなビスケットでなく、フライドチキンのチェーン店で出てくるようなの)が出てくる。

メインデッシュですが、普段、うちでは豆を食べている人も、レストランでは、気張って肉を注文するでしょうね。肉は。。。やっぱり豚のバーベキューかなあ。赤くて照りのいい、甘ーいバーベキューソースで。それか、いろいろありあわせの肉を煮込んだブロンズウィックシチューとか。大きなハムがどーんと出てくるのは、特別なときね。

鶏肉なら、バターミルクにつけておいてから揚げるフライドチキンとか。

あるいは、スパイスラブをしっかり塗り付けた、ブラックンドフィッシュ(魚のムニエル)とか。

ああ、魚は、ナマズのことが多いです。なぜか、南部の人は、ナマズ(キャットフィッシュ)が大好きです。もっとも、ひと言で南部といっても、沿海部の人は、もっといろいろな魚を知っているんでしょうが。(ニューオリーンズのガンボやジャンバラヤ、メリーランドのクラブケーキ、Old Bay というスパイスミックスでゆでたエビ、とか)

つけあわせで忘れていけないのは、ボイルドグリーン。これは、おいしいです。南部式の唐辛子の酢漬けを、ちょっとだけ添えると、さらにおいしいです。(辛くてすっぱいのが苦手のわたしでも、そう思います)ボイルドキャベツもいいな。

サツマイモのマッシュもよく出てくるけど、それでなくても甘いサツマイモに、さらに砂糖やオレンジジュースを入れて、上には甘いマシュマロがのっていたりするのは、わたし的にはつらかったねえ。普通にオーブンで焼くか蒸して、マッシュするだけなら、たとえばスパイシーな料理のつけあわせには、とてもあうんだけどねえ。

アメリカの感覚では、ライスやグリッツもつけあわせの一種です。グリッツって、イタリア料理のポレンタと同じものだと思うんだけど。。。トウモロコシの種類が違う、という説もあります。このへんが、南部人のこだわりで、よそ者にはうかがいしれないことのようです。

フライドグリーントマトも、映画の題になったほど有名だけど、季節もののせいか、実際はあまり見なかった。

デザートは、いろいろあるけど、とても南部的なのは、ピーカン(ペカン)パイかなあ。ペカンは、あのへんでとれるものだし。

南部の人は、甘いものが好きな気がする。パンケーキとか、ドーナッツとか、別に南部以外でも食べるけど、わたしの中では、これらはもう南部のイメージなのだ。南部の甘味料として、ソルガム (sorghum) のシロップというのもある。

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5 件のコメント:

  1. ヒットラーと菜食主義について調べていたら、ここへ。
    ヒットラーは菜食主義なのに残虐なことをしたけど、菜食するとおだやかになるんじゃないのかおかしいぞと思って。江部先生という人のブログで糖質制限を知り、いま自分で実験中です。私お菓子やパンが好きで、食べると止まらなくなってしまってたんです。で、沢山食べると気持ちもなあんか不安定というかイライラもして。人に対してもささいな事で突っかかる、意地悪になるよなあと、うっすら思ってたの。ローフードの教室では、社会人は戦闘態勢という意味で動物性を多少取り入れると良いと教えて貰った。けれど、、、糖質制限をはじめて、動物性を結構食べてるけど、戦いモードになるどころか心は平安で穏やか体も軽い。ローフードで教わった戦闘態勢という意味はもっと違う意味なのかな、今はちょっとわかりません。食は面白いですね。もう暫くは糖質制限で実験続けてみます。
     それから過食についての所読ませていただきました。すっごく勉強になりました。忘れるのでちょくちょく読みに来ますがよろしくお願いします。ヒットラーも炭水化物食べてたのかなあ。。。ではまた、ありがとうございました!

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  2. 以前の記事にも書きましたが、戦争の起源は農業のようです。それ以前、狩猟採集生活のときは、確かに野生動物と、文字通り血まみれの食うか食われるかの戦いがありましたが、だからこそ、仲間割れして、人間同士が殺し合うことはなかったようです。

    ヒットラーは、お菓子が好きだったようです。つまり、卵や乳製品は食べていたわけ。それと、砂糖をたくさんとっていたから、血糖値の変化は大きかったはず。この、血糖値の乱高下、というのも、いらだちとか、怒りっぽさと関係がある気がします。

    江戸時代、ほとんどの人が玄米雑穀を食べている中、白米を食べていた江戸っ子が、ケンカ早かったのは有名ですし。

    最近のわたしは、糖質制限食にも、ちょっと批判的です。基本的な考え方には賛成だけど、実際に糖質制限食をしている人って、動物性タンパク質があまりにも多過ぎで、野菜がほんのつけあわせ程度のようですから。

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  3. とてもおもしろい記事でした!
    食べ物について書かれたものを読むのは楽しいです~^^
    さつまいもを食べて育つ豚なんておいしそう!
    ソルガムのシロップなんてあるんですね.
    ボイルドグリーンはたっぷり出てくるのかしら.
    ・・・などと,一人でワイワイ色々思いながら読んでいました.実際南部に住むのは大変そうですが・・・.

    私は,甘いものをたくさん食べるのをやめるようになってから,急にイライラしたり,感情が爆発したりすることが少なくなりました.
    食べるものによって感情がこんなに左右されていたのか,とびっくりしています.

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    1. ゆかりさん食べるもので感情も変わっていくって本当にびっくりです。食べることですが、体の中ではいろんな事が起こっているんだなあと思います。
      アケミさんなるぼどヒットラーも乳製品や甘いものは食べていたんですね。それだと納得できますね~。江戸っ子が喧嘩っ早いの理由。。知らなかった!面白いです、ますます食について知りたくなりました。

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  4. そうそう、わたしが南部で3年もったのは、食べ物のおかげです。

    食べ物と感情の関係、本当におもしろいです。

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