2012年2月25日土曜日

南部の逆襲とコーンブレッド

数日前、ホールフーズのテイクアウトを見ていてびっくりした。チーズグリッツ、シーフードガンボ、ジャンバラヤ、レッドビーン(赤金時豆)入りごはん。。。ここはどこ?なんで、こんなに南部料理が並んでいるの?

この前の火曜日は、レント(四旬節)前の火曜日、いわゆるマルディグラだったので、マルディグラ→ニューオリンズ、という発想で、こうなったらしい。

伝統というものがあまりないアメリカで、こんなふうに、年中行事と料理が結びついている、というのは、お店にとってはありがたいでしょうね。それで、アメリカの中で、唯一、伝統を頑固に守っている南部が注目されるのね。今に、このへん(西海岸)でも、お正月にはホッピングジョン(黒目豆をごはんに混ぜたもの。南部人は、元旦にホッピングジョンを食べると開運になると信じている。黒目豆なんて、毎日のように食べているのに)を食べるようになるかもね。

わたし、南部に住んでいた3年間は、大変だったけど、思い返すと、それなりの意味があったと思う。南部がわかっていないと、アメリカって、本当にはわからないんですよ。このへん、北部の人はあまりいいたがらないし、北部でも多くの人は、もう忘れているかもしれない。まして、南北戦争に関わらなかった西部の人は、わかっていない。でも、南部人は、今もしっかり覚えていてる。

南部人にとって、南北戦争は、いまだに終わっていないの。今も、逆襲の機会をうかがっているし、実際、普段の生活の中で、南部の逆襲は、かなり成功している。

早いはなしが、食べ物だ。前回の南部料理の記事を書いてから、ハンニバル強子さんのブログを見ていたら、クリスピークリームのドーナッツのはなしがあった。カリフォルニアにもあるのね。クリスピークリームは、全国チェーンだから、気づいていない人も多いでしょうけど、あれの本社は南部(カロライナ)です。つまり、ドーナッツがひとつ売れるたびに、南部に儲けがいくわけ。

南部の食べ物、えらいです。

南部出身の作家や俳優、ミュージシャンも、多いですよ。作家では、フォークナーとかテネシー・ウイリアムズとか、このへんは、米国作家というより、南部作家として理解しないと、根本的なミスがあると思う。

もひとつ偶然で、「生活の温度」の null さんが、フォークナーのはなしをしていて、そこにコーンブレッドのことをコメントさせていただきました。コメントというには、あまりにも長いですが、南部の主食のひとつ、コーンブレッドのことなので、ここでくり返させていただきます。

コーンブレッドって、基本的に2種類あります。本来の南部式は、コーンミール、塩、重曹、バターミルクだけで、小麦粉、砂糖、卵、油(バターとか)は入りません。(コーン「ブレッド」といっても、イーストは使いません)

これ、できたてはすばらしく香ばしくて、おいしいんですが、ポロポロだし、冷めると固いし。で、これを「改良」して、お店でも売れるようにしたのが、北部(ヤンキー)の、小麦粉、砂糖、卵、油入りのもの。さらに、ホールコーンとか、赤唐辛子とか、いろいろ混ぜ物したものもあります。

今、ちょっとグーグルしてみると、"real Southern cornbread" といっていても、いろいろ入っているレシピがありますが、あれは違います。最近では、南部人も軟化して、北部風のコーンブレッドが出回っていますが、本来のコーンブレッドは、リーンです。

南部人にいわせると、砂糖の入ったのはケーキであって、パンじゃないそうです。それから、「本当」のコーンブレッドは、分厚い鋳物のスキレットに、豚の油をしいて焼くものなのだそうです。(生地には油を入れないが、型であるスキレットには油をしくわけ)鉄の鍋をよーく熱して、ラードをしいて、そこに生地を流し込んでオーブンで一気に焼く。

ちなみに、これ、小麦粉が入らないので、グルテンフリーです。ちょっと増粘剤を入れれば、ポソポソ感は解消できるだろうし、そういう意味で、今に再注目されるかも。あれ、これも南部の逆襲のひとつか?


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おまけ
政治の世界でも、南部人、がんばっています。最近の大統領を見てみましょうね。(現職のオバマさんの前から)
ジョージ・ブッシュ:生まれたのはコネティカットだけど、テキサス(南部)育ちで、元、テキサス洲知事。
ビル・クリントン:アーカンソー(南部の中でも、特に、ディープサウス)出身で州知事だった
お父さんの方のジョージ・ブッシュ:マサチューセッツ出身だけど、テキサスの石油ビジネスで大成功して出世した人。
ロナルド・レーガン:イリノイ出身
ジミー・カーター:ジョージア(南部)出身、もとジョージア州知事
南部の外のアメリカ人は、こういうこと、意識しているんでしょうかね。
参考資料

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