2012年3月4日日曜日

元気なことと元気な気分は違う

日本のブログを見ていたら、漢方薬店で生薬をかって、自分で麻黄湯を煎じて飲んだ、というはなしがあった。

ほー。日本では、素人が麻黄なんて買えちゃうんだ。

麻黄というのは、マオウという低木で、漢方に使うのは地下茎。といっても、葉などにも有効成分があるので、食べると舌がしびれる。(「麻」というのは、しびれるという意味。ついでに、舌が黄色くなるので、麻黄という名がついた)だから、野生動物は、決してマオウを食べないそうだ。

有効成分はエフェドリンといって、交感神経を刺激し、喉や鼻などの呼吸器官のつまりを取り除く、というか、そのへんの組織を収縮させる。(組織が収縮すれば、たとえば、鼻づまりがすっきりするわけですよ)

ここまではいいですよね。天然の植物に、風邪や喘息に効く成分がある。で、いちいち煎じ薬を作らなくてもいいように、有効成分だけを取り出して薬にしよう、と考えるのは、現代人としては普通の流れでしょう。さらには、同じ成分を科学的に合成することもできる。

エフェドリンの抽出をしたのは、実は日本人の長井長義というひとです。で、この人、ここでやめないで、エフェドリンの興奮剤としての作用にも注目し、エフェドリンからメタンフェタミンという薬物を作りました。

メタンフェタミンって、ご存知でしょうか。一時、ヒロポンという商標名で販売されていたこともあります。そう、覚醒剤です。(ヒロポンというのは、疲労がポンと取れる、という意味らしい。実に日本的なネーミングだ)

他の呼び名としては、シャブとかスピードとか、米国では、meth っていっていますね。ヘロインやコカインと同じか、もしかするともっとコワいとされているドラッグです。恐ろしいのは、効果の強さや習慣性はもちろん、風邪薬として売られているエフェドリンから、簡単に作れてしまうから、というのもある。よく知らないけど、普通に入手できるものを加熱してできちゃうらしい。但し、このときの過程で、非常に引火性の強いものができるので、この火事の可能性もコワい。

このため、最近のアメリカでは、エフェドリンを含む風邪薬を買う時には、身分証明書の提示が必要だったり、医師の処方箋が必要だったり、いろいろ規制ができました。

で、なんでこんなはなしをしているかというと、「元気なことと元気な気分は違う」のいい例だからです。

わたし、飛行機に乗ると耳が詰まって、中耳炎になりやすいので、予防のために、以前は、このエフェドリン系の薬を飲んでいました。ドラッグじゃないから、別に目立った気分の変化はないんですが、でも、微妙に、興奮状態になるんですよ。もっと具体的にいうと、なんか元気になったような気がして、運動とかしたくなるし、おしゃべりになるし、一方で、夜、寝付きが悪くなる。

元気な気分になりたければ、交感神経を刺激すればいい、ということ。

「でも、わたし、そんな風邪薬飲まないし、もちろん、覚醒剤なんて興味ないし、関係ない」って思った方。興奮剤とか、興奮効果のある食べ物って、意外といろいろあるんですよ。カフェインとか、唐辛子とか。

化学調味料(=うまみ調味料、アミノ酸系調味料)も、脳の神経に影響する興奮剤です。

だから、味の素の入ったお吸い物や漬け物やスナック菓子を食べて、コーヒー飲んで、元気な気分になることは、根本的には、エフェドリンでハイになるのと同じ。そして、それは、本当の意味で元気であることとは、全く違うこと。

本当に元気な人は、疲れたら休むんです。生き物だから、活動したら、そのうちには疲れて当たり前なんです。

この違いがわからなくて、元気な気分でいる人って、実は結構いると思う。まだ知られていない興奮効果のある食べ物や食べ方ってあるだろうし。

個人的には、私は、化学調味料は極力避けています。これは、アメリカに住んでいると、割とラクにできます。コーヒーは、おいおいやめたいなー、と思いつつ、飲んでいますが。風邪のときなどは、エフェドリン系の薬は、よほどのことがない限り避けています。

にほんブログ村 料理ブログへ

2 件のコメント:

  1. アケミさん、仰るとおりだわ。元気な人は疲れたら休む。しっかり休まないからがたが来る。元気なつもりは確かに元気なわけじゃないのですよね。アメリカに来てからそれでも薬を飲む機会が増えたと思います。サイナス問題がひどくなり、もともとあった耳の問題があるので、それはやっぱり色々試したけど、薬に頼る羽目になっています。鼻洗浄をし、アレグラを飲み、この時期は鼻スプレーもしてます。やめた年もあったのですが、中耳炎になって穴をあける羽目になったんですよ。左はもう壊れているので、右だけは確保したいんです(涙)。薬と言えば、今はビタミンDをドクターに飲まされ、3週目が過ぎます。あと7週飲んだら血液検査。あーあです。アケミさんのブログも前に戻って読んでいます。私、もっと勉強が必要みたい(笑)。ありがとう~。

    返信削除
  2. 強子さん
    花粉症、つらいですよね。中耳炎で鼓膜切開は、私もしていますが、あれはちゃんと治りますよ。
    ビタミンDは、標準値がかなり高めに設定してあるので、低いっていわれる人、多いです。このへん、コレステロールの標準値が低めに設定されているのと同様、製薬会社の陰謀説もありますが(ちょっと前まで、ビタミンDの検査そのものをしなかったものねえ)私も低いっていわれて、自主的にサプリ飲んでいます。北国のオレゴンでは、自前で体内生産するの、難しいでしょうし。

    返信削除