2012年4月10日火曜日

緑の野菜は完全栄養食

ちょっと思うところがあって、いくつかのありふれた食品の栄養分析を、タンパク質の量から見てみた。(分析には、cron-o-meter 使用)

なぜタンパク質か、というか、必須アミノ酸と必須脂肪酸は、人体が合成できない栄養素だから。そして、量的に、必須アミノ酸の必要量の方が、必須脂肪酸よりずっと多いから。つまり、タンパク質は、ある程度、心がけて摂取する必要があるから(但し、どのくらいが適量なのか、には、諸説ある)

仮に、ロメイン・レタスだけを食べて、タンパク質50グラムを摂取しょうとすると、4082グラム必要。レタスを4キロも食べられるか!、と憤慨するのはちょっと待ってほしい。別にそんなことを勧めるつもりはないから。

同様に、ブロッコリーだけで、タンパク質50グラムを摂取しようとすると、1786グラム必要。ほー、半分以下でいいんだ、これだけ見ていると、効率いいね。

いわゆる「タンパク質源」といわれている食品の中で、植物性タンパクの代表、豆。レンズ豆の場合、タンパク質50グラムをとるためには、556グラム必要(ゆでた状態)。動物性タンパク質で、卵の場合、400グラム。

ここで、もう少し詳しく見てみると。

ロメイン・レタス、4082グラムで取れるタンパク質は、ほぼ完全なアミノ酸組成。これって、意外でないですか。植物性タンパクは不完全だ、って、学校で習いませんでしたか。

カロリーは、693カロリー(kcal)。 必須脂肪酸は、量も割合も、とてもいい。なんと、オメガ3が4.6グラム、オメガ6が1.9グラムで、オメガ3の方がずっと多いのだ。ビタミンやミネラルもたくさん含まれている。植物性なので、ビタミンB12やDがないけど。ミネラルでは、セレンが不足、他は十分。

ブロッコリーも、完全タンパク質。ビタミンやミネラルたっぷり(うーん、厳密にいうと、鉄と亜鉛がやや少ない)。ただ、必須脂肪酸が足りない。カロリーは、607カロリー。つまり、タンパク質量で比較すると、レタスもブロッコリーも、カロリー量は同じくらい。レタスは、水分が多い分、摂取必要量(重量)が多くなるだけ。

レンズ豆は、他の豆類もだけど、メチオニンが不足している。必須脂肪酸も不足。カロリーは644だけど、不足しているメチオニンを補うために、もっと摂取量をふやせば、同然カロリー量も増える。さらに、ビタミンやミネラルの組成が、緑の野菜に比べると、ガクッと悪くなる。ビタミンでは、A, B2, B3, B12, C, D, E, K、ミネラルでは、カルシウム、マグネシウム、セレンなどが不足。

卵のアミノ酸組成が完璧なのは、よく知られている。必須脂肪酸は、量的にはだいたいオーケー、オメガ3と6のバランスは、親鳥のエサによって変わるらしい。ビタミンやミネラルの組成は、これも、欠けているものが多い。ビタミンでは、葉酸、B1, B3, B6, C, D, E, K、ミネラルでは、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、カリウム、亜鉛が不足。

そして、卵は、高コレステロール食品である。卵400グラムで、コレステロール1692mg。いくらコレステロールに寛容な私でも、これは多すぎると思う。

何がいいたいか、というと、緑の野菜が、いかに栄養があるか、ということ。野菜がからだにいい、というのは常識だけど、こんなにも完全栄養に近い、というのは、意外だと思う。極端なはなし、緑の野菜に、あと少し、必須脂肪酸などがとれるものを加えれば、完璧なわけ。

それに対して、一般に栄養がある、といわれている卵は、とてもバランスが悪い。足りないビタミンやミネラルが多すぎるし、食物繊維はゼロだ。一方で、コレステロールが多すぎるし。多分、肉や魚も、似たようなものだと思う。つまり、これらは、補助的な食品だ、と思う。

ここで、ビタミンB12について、ちょっとだけ書いておくと、これは微生物がつくる栄養素なんだそうだ。動物は、エサとして草を食べるとき、一緒に土の中の微生物とビタミンB12をとって、それが肉の中に蓄積されている。私たちが必要としている量は、マイクログラム単位で、他のビタミンと比べると、ほんの少しだ。一説では、人の腸内細菌も、B12を作っているとか。。。それが本当なら、腸内環境のいい人は、食べ物から摂取しなくていいのかも。

また、ビタミンDは、体内で合成できるものだから、そもそも、食品から摂取しようとしなくていいのかもしれない。

最後に、長い間、日本人の主食だった玄米と、緑色でない野菜、たとえばトマトやニンジンの栄養を見てみよう。

玄米ごはん(つまり、炊いた状態)で、タンパク質50グラムを摂取しようとすると、2174グラム必要。カロリーは、なんと2434。タンパク質が7%しかなくて、比較的糖質が多いため、高カロリーになるのだ。

昔、農作業などで肉体労働していたころは、カロリーも糖質も、このくらい、いや、もっと摂取しても問題なかったんでしょうけど。栄養的に、あまり効率がいいとはいえない。

穀物には、必須アミノ酸のリジンが少ないんだけど、このくらいの量を食べれば、必要量のリジンはとれる。また、必須脂肪酸では、オメガ3がほとんどなくて、オメガ6が多い。

でも、玄米にはミネラルやビタミンが多いのでは?という方。ミネラルでは、カルシウム、鉄、カリウム、ビタミンでは、葉酸、A, B2, B12, C, D, E, K が不足している。

トマトの場合、5682グラムで、タンパク質50グラムになる。ただ、アミノ酸組成がとっても悪い。一番低いのがメチオニンで、これを十分とるためには、この倍くらい必要。5682グラムで1022カロリーだから、その倍もとったら、これもすごいカロリー/糖質過多になる。

ニンジンの場合、5400グラムで、タンパク質50グラム、アミノ酸組成はあまりよくないんだけど、これだけとれば、すべての必須アミノ酸が十分とれる。カロリーは、2214。

つまり、果菜や根菜は、植物が光合成して作った糖を貯蔵するところ。動物は、余剰のエネルギーを、脂肪としてしか蓄積できなくて(いや、少しはグリコーゲンもあるけど)、糖分は、その脂肪や、あるいは筋肉を分解するか、食事として摂取しなくてはならないけれど(そして、余剰の糖質は、からだに害になるけど)、植物は、糖を糖として貯蔵できる。

対して、葉菜は、光合成がおこなわれる活動の場所で、「働く」という意味では、動物の筋肉に対応するところ。意外なくらい、タンパク質がある。

だから、なんなんだ。。。といわれると。。。別に、葉っぱばかり食べていなくても、ごはんや豆や肉、魚、卵で、充分な微量栄養素が取れないなら、それを補うのに必要なだけ野菜をとればいいじゃないか、という考え方は成り立つし、実際、そういう食べ方を、私たちは教えられてきたわけなんだけど。

そして、特に環境の悪化した現代では、現時点でわかっていないリスクを分散させるためにも、いろいろなものを食べておく方がいい、と私は思うんだけども。(たとえば、最近、米国では、オーガニックの玄米から、相当量のヒ素が検出されて、大騒ぎしている)

ただ、緑の野菜の栄養が、人間にとって、こんなにも、ほぼ完全なのには、何か意味があるように思えてならない。

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