2012年7月27日金曜日

太平洋岸北西部の分離独立(カスカディア)

このブログで時々書いているように(例えば、この記事)、私が今住んでいるオレゴン州というのは、以前住んでいたロッキー山脈の東とはずいぶん違う、ユニークな地域なんですが、このオレゴンと北隣のワシントン州、さらにカナダのブリティッシュコロンビアを、米国・カナダから分離独立させよう、っていう、半ば冗談の運動があるんです。新しい国の名前は、Cascadia (The Republic of Cascadia) といって、ちゃんと国旗もある。


青は空と太平洋、白はカスケード山脈の雪、緑は豊かな森林を象徴しているんだそうです。中央の木は、このへんにもともとたくさん生えている Douglas fir です。(ここから引用しました)

ちなみに、Douglas fir って、植物学的には、fir (モミ)ではなく、材木としては、「米松」として日本にも輸出されていますが松でもなく、トガサワラ属 (Pseudotsuga) なんだそうです。

新しい国を作るって、途方もないことのように聞こえるかもしれないけれど、ソ連が崩壊していくつも小さい国ができたのは記憶に新しいし、その前も、バルト3国とか、もっと古くは、第二次世界大戦後、インドなどの国が独立したこともあるし。だいたいアメリカ合衆国が、現在の形(50州)になったのは、20世紀になってからのことだ。(ハワイは、もともと、独立国だった)

北西部の人たちが、もっと積極的に環境問題に取り組みたいとか(ユートピアをもじって、エコトピアという言い方もある)、戦争に行って中東で人殺しをするのはイヤだとか、同性婚を認めたいとか、米国一般から見るとリベラルすぎる(というより、あまり政治や軍事に興味がない?)意見を持っている一方、ワシントンD.C.の政治家の人たちは、東部のことばかり考えているみたいだから、いっそ分けちゃったらスッキリするんじゃないか、っていうのは、それなりに一理あると思うの。

まあ、客観的には、軍事力のないこの地域が独立するなんて無理、なんだそうですが。そうなんでしょうか。国が独立国家としてやっていくには、軍隊が必要なんですか。(じゃあ、日本はどうなるんでしょう)(←米国との協定があるから、一応、安全を保っている、というのは、知っています)

こういうことを考えていくと、結局は、「国」って何か、という問題になるのよね。で、少なくともこれまでのところ、国というのは、他の国から自国を区別し、守るものなんだ、ということに気づくわけ。

だから、他の国の人が入ってくるときは、ビザを確認するし、他の国のものが入ってくるときは、関税をかけたり、いろいろ制限をする。はっきりとはいわないけど、「外」は脅威だ、という意識が根本にある。

で、外国に長年住んでいる私としては、このへんすっきりしないんですよ。私って、脅威なの?悪いことしようなんて、全然思っていないのに、一般の米人は、内心で、私を嫌っているのかしら。

カスカディア(カスケーディアの方が、英語の発音に近いけど)が独立する時っていうのは、そういう古い国家概念が要らなくなるときだと思う。言い換えると、国というのが、今の県とか州とかみたいに、文化や政治執行のための単なる区域になるとき。地球レベルでの経済ができて、地球レベルでの社会正義概念ができて、「外」を排除/差別/制限することに意味がなくなるとき。

。。。いいなあ、それ。そういうのこそ、新しい時代だと思う。

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追記:カスカディアには、アイダホやモンタナ、さらにカリフォルニアの北部(田舎の部分)も入れよう、という意見もある。私見では、アイダホはともかく、なんでモンタナまで?と思うけど、まあ、入りたいっていうのなら、入れてあげればいいんじゃないかな。

6 件のコメント:

  1. こんにちは、初めまして~!
    カスケーディア国なんて、面白い発想ですねぇ~。
    でもアイダホと・モンタナは入らないような気がします。
    政治の好みもオレゴンやワシントン州とは違いますしね。
    きっとカリフォルニアの北部は混じりますね、間違いなく。

    もしもこれが国として存在したら、いつかはどこかに吸収されてしまうような気がします。
    やっぱり国としては弱いと思うし、シアトルなんて常にテロの的にもなるような場所ではやはり何かに守られたい気がするんです。
    (あ、自分がかしら・・・?)
    軍が無いということは良いことかもしれないけれど、それだけ簡単に乗っ取られてしまうかもしれない・・・ということでもあって、カスケーディア国はたぶんすぐその的になると思います。
    (え?いらないって言われますか?)
    なんと言っても「アメリカに土地でくっついている」というところが売りじゃないでしょうか?
    国境を越えるのも簡単だと、これはテロリストにはおいしい話ですよね。

    難しいですね。
    きっと世界中から軍やテロリストがいなくなれば、可能かもしれません。
    (変りにおかしな連中が増える可能性は高いですが。)

    個人的にはオレゴンやシアトルあたりのリベラルすぎる、Passsive Agressiveな性質は肌に合わないと思っています。
    かといって、お山の大将的なものにはまたムッとしたりもするんですが。
    結局どっちつかずなのでしょうかね、私?
    もしここがカスケーディア国になったら、たぶんアイダホあたりに引っ越すかもしれません^^。
    カスケーディアのリーダーにはやはりオバマさんでしょうか??

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  2. そう、強いとか弱いとかの力の論理で世界が動いている間は、難しいでしょうね。だからこそ、それがなくなる時を夢見ているんです。(代わりに増える「おかしな連中」って、どんな人たちのことですか?)

    私、シアトルにはまだ行ったことないんですが、オレゴンは、passive aggressive というより、もっと、のんびりしている気がします。変化を急がない、このカスカディア運動みたいに、ある方向を見ているんだけど、それを無理に押さない、みたいな。(ここが、カリフォルニアとの大きな違いだと思います)

    リーダーですか?リーダーなんて、いらないんじゃないですか。

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  3. そう、難しいです。
    今はまだ「力」の無い国はダメな国、という時代だと思うので、こういった理想主義の国が成り立つのは遠い遠い未来だと思うんです。
    将来的には国も何も無くなって、地球人!になればいいんですけどね。
    それにマテリアルとしてのお金も無くなってしまえばいいのにって思います。
    国にこだわらない、お金の価値にこだわらない、という風な世界になれば、どんなに楽だろう??なんて想像します。

    「おかしな連中」とは、Occupy Wall Streetの抗議の人たちに混じって、黒のバンダナをして顔を隠し、お店の窓ガラスを割って歩いているような人の事をイメージしてたんですけど。
    真の目的はないけど、破壊が趣味の人たちです。

    そうですか~、リーダー無しの国。 どうなんでしょう・・・今の私の頭では想像できません。
    たぶんアケミさんの方が、私よりも夢がある人なのかも・・・?
    自称個人主義のアメリカ人に、リーダーがいなくなったら、野放しになる気がして仕方ありません。

    オレゴン(ポートランドですかね?)はシアトルより、人がもっとゆったりしているのかしら?
    シアトルって「革命」を先に持ってきて、それにサッサと着いて来ない人はちょっと・・・、と思われるような感じですかね。
    まあ、皆が皆そういう人間ではないですけど、そういう人や事が沢山。
    時々疲れまーす。

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  4. 私は、意識的に、想像力というか、ビジョンを持つ練習をしているんですよ。このカスカディアについて考える、というのもそのひとつです。だって、ビジョンを持てない人は、現状に甘んじるか、ビジョンを持っている人の後追いをするかで、生き方としてつまらないですから(言うまでもないと思いますが、変化をもたらすためには、まずビジョンが必要です。ビジョンのとおりになるとは、限りませんが)

    Occupy 運動も、日本の反戦運動も、そういう意味では、あまりいい手ではないですね。何かがイヤだ、とわめいているだけで、じゃあどういう風にしたいのか、というビジョンがないから。

    リーダーなし、というのも、頭の訓練ですよ。実際には、少なくとも行政管理のリーダー入るでしょうが、リーダーがいない国ってどんなか、考えてみました(全員が、リーダーの国です)

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  5. そういえば、どこかでCascadiaという言葉を耳にしたことがありましたが、こういうことだったんですね。すごく面白い発想ですね。
    こういうちょっと冗談っぽい考え方、すごく好きです。

    Northwestって、他のところとはどうも、何においても(気候にしても政治にしても住む人達の考え方にしても)ちょっと違う感じがして、ブリティッシュコロンビアとWAとORの西側だけがすごく仲間な感じがしますので、この括り方がとっても気に入りました(^^

    国という括りをしない、リーダーがいない、というのは、今の世の中から考えると、ものすごい理想郷ですが、そういう世界観を皆が持てる、ワンランク高い精神性が持てるようになったらすごいことですね。

    私はオランダあたりや北欧の人とかの暮らしぶりって、(今はもちろんリーダーもいるし国という括りもありますが)、もっともっと進んでいくと、アケミさんの仰るような方向へ少しずつ向かって行けそうな気がします。
    TVで見た限りの印象ですので、実際のところは分かりませんが。

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  6. そうそう、こういう、一見冗談っぽいものの中に、実は、真実とか本当の変化の兆しとか、ある気がします。

    歴史を振り返ってみても、ある国が別の国から独立するのは、(米国がしたように)独立戦争によるだけじゃないです。インドは、独立運動はしたけど、戦争はしていない。じゃあなぜ、英国がインドを手放したかっていうと、植民地として支配していく意味がなくなったから(特に経済的に)オーストラリアみたいに、独立が必然的だった国もあるし。

    私も、ヨーロッパ入ってみたことないんですが、あそこの「国」の感じ方って、違う気がします。何たって、地続きで他の国にすっと行けちゃうわけですから。(EU のおかげで、手続きはラクらしいし)例えば、英国と仏国のように、歴史的に敵対してきた国でも、その敵対の仕方が、米国の南部対北部の感情と同じか、むしろもっと友好的なんじゃないかな。

    こういうことって、ああだこうだといっていること自体に意味がある気がします。オレンジ猫さん、prunus さん、コメントありがとう。

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