2012年8月23日木曜日

肉食の問題点

肉食の功罪については、既に「菜食対肉食」のシリーズでいろいろ書いたけど、もう一度考えてみたい。地球温暖化ヘの影響を心配するコメントもあったことだし。

草食獣を育てて食べることは、植物を栽培してそれを食べることより、エネルギー効率が悪く、よって、地球の飢餓問題や温暖化によくない、というのは、そのとおりです。ただ、だからみんながベジタリアンになる(あるいは、できるだけ肉食を減らす)ことが、解決だ、と思うのは、早計というか、根本的な原因を見逃しています

要は、人口問題をなんとかしないと、焼け石に水なんですよ。人口が減ればーーもちろん、それは国とかが強制するのでなく、自然な形で減っていくことが望ましいんですがーー、当然、必要な食料は少なくてすむわけで、飢餓もなくなるし、温暖化に影響するほど、牛サンを放牧する必要もなくなる。

なにも難しいことではないです。例えば、ヨーロッパでは、昔は、女は十代で結婚して、死ぬまで、あるいは閉経するまで、子どもを産み続けたそうですが、今は、もっと計画的に、自分たちの望む数の子どもが授かったら、後は避妊するでしょう。で、その数は、大抵、一人か二人、多くて三人くらい。

三人以上産む人がいるのはいいんですよ、一方で、一人しか産まない人や、全然産まない人もいるわけだから。そういう、いろいろな家族のあり方(もっというと、両親がそろっているかとか、結婚しているかとかも、オプションとして、いろいろなパターンを認めていくといいと思う)を受け入れて、全体として、人口がゆっくり減っていって、そうねー、今の半分くらいに落ち着くといいんじゃないかな。

こういうのを、人類の老化、と見る人もいるだろうけど、私としては、成熟化、と思いたい。いわゆる先進国では、既にしていることです。

(え、なぜ、昔の日本を例にしなかったかって?日本では、堕胎や桑子という、おそろしい人口コントロールがおこなわれていたからです。江戸時代の人口が、平和なのに比較的安定しているのは、そのせいです。キリスト教の影響でコントロールしなかったヨーロッパでは、医学の進歩とともに人口が増え続け、どうしようもなくなって、海外に出ていったーーつまり、帝国主義、植民地支配になっていったわけです)

食料問題では、もうひとつ、現在の小売りや外食で廃棄率が高すぎるのも、問題だ。米国では、食べ物の半分が、ゴミ箱行きになるという。それは、スーパーで、常時食べ物をたくさん陳列しているせいや、レストランでの食べ物の量が多すぎるせい。ユージーンのお店では、過熟気味の果物などのコーナーがあって、割引して売っていたけど、ああいう制度がもっと普及するといいよね。その日のうちに食べれば、そういうよく熟したのが、おいしいんだから。

ああ、でも、肉食の功罪を論じる時、そういう政治経済的な問題より、もっと気になるのは、健康への影響と、動物愛護というか、要は動物を「殺す」ことへの、感情的な問題が大きいよねえ。

健康問題は、はじめにリンクした記事でいろいろ書いたし、私が今しているレクチン除去食(パレオダイエット)とも関連して、これからも折に触れて書くつもりですが、少なくとも、私にとって、菜食(私は、約一年間、ビーガンでした)は、困ったものでした。ある意味で、数年経った今でも、その影響に苦しんでいるのかも。

でもね、これだけ肉食擁護してきても、本当いうと、私は、食べなくてすむものなら、肉食なんてしたくないの。だって、だって、、、ちょっとこの記事の写真を見てください(記事は英語ですが、とてもいい写真なので、それだけでも見て)

豚チャンもヒツジもヤギも、なんてかわいいんでしょう!お日様の光の中、本当に健康で幸せそうだ。これ、いつかは、胃袋に収まっちゃうんだよねえ。うっ。

あ、でも、こういう言い方って、植物に対して差別だ、っていうコメントが、以前あったよねえ。「植物だって、一生懸命生きています。植物は食べていいけど、動物はちょっと、、、っていうのは、アメリカ人が、牛は食べていいけど、クジラはダメ、とかいうのと同じ、偏見じゃないの」とかって。

そう、できることなら、なにも食べないで生きていければいいのだ。光合成か、なにかもっと別の方法か、とにかく、食べ物に頼らないで、直接エネルギーを体内で作れれば。

でも、残念なことに、私にはそれができないんです。申し訳ないことです。だから、そういうことができるようになるまでは、自分の生存と健康のために、肉や野菜を食べていくことにします。そうなんです、自己本位で、身勝手なんですよ。

しかも、肉は食べるけど、そして、こういう健全で安全な肉をわざわざ探して買ってくるのに、それでいて、その動物を見ると、胸の奥がウズウズする、っていう、意気地なしなんですよ。

対して、リンクした Nom Nom Paleo の作者は、こういう肉食の現実を、小さな子どもにちゃんと見せているんだよね。えらいお母さんだ。(本業は、病院の夜勤の薬剤師で、パレオのお弁当を持って仕事に行くそうです。この人の食べ物写真も、すごい垂涎ものなんだよねえ)

追記:この記事を書いた後、お昼を食べていて、なんか、切なくなってきた。考えてみれば、自分が生きていくために牛サンは死んでもいいとは、なんてひどい話だろう。ごめんね、ごめんね。私がいなくなることで、牛サンが何匹か助かるのなら、それでもいい気がする。若いころならともかく、もう51年生きてきて、したいと思ったことはすべてしたし、養わなくてはならない子どももいないし。

肉食するって、こういう気分の救済も考えなくてはならないのかも。

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12 件のコメント:

  1. 昨日、温暖化についてコメントしたものです。レスポンスありがとうございます。
    人口問題についてはおっしゃるとおりで、途上国では産児制限がなされていないという問題があるので、それは国の教育が必要かと思います。あと国によって輸出のために牛、トリ、穀物を育てるために森林を伐採してしまったところもあるようです。政治家の意識改革も必要かと思います。
    すでにご存知かもしれませんが、Lester R. BrownさんがWorld on the Edge How to prevent environmental and economic collapseという本で地球温暖化について広い見解で具体的なアクションまでおっしゃっていますので、お読みになっていただければと思います。(あいにく英語なので、私はまだ読んでいる途中ですが。)

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  2. わざわざコメントを書いてくださる方々にはいつも感謝していますが、時々よくわからなくなることもあるんですよね。今日のこの記事を(追記も含めて)読んで、その上で、こういうコメントを書く方というのは、菜食をすすめて地球温暖化を食い止めるためには、個人がどんな気分でいるか、なんて関係ないんでしょうかね。

    すいませんね、これ以上、温暖化について論じる気には、少なくとも今は、なれません。悪しからずご了承下さい。

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  3. 私としてはだからみんながベジタリアンになる(あるいは、できるだけ肉食を減らす)ことが、解決だ、と思っているわけではなく、人口問題とかの件も知識としては持っているので早計だといわれるのは遺憾だということを申し上げたかっただけです。

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  4. 温暖化が本当か?という説もありますよね。ライオンが鹿を食べるのは悪か?というツイートもありました。いろいろ知っていくと、どっちがいいかは本当に様々で、自分の選択なんだなぁ、と思うこの頃です。

    ブログ、毎回楽しみに拝見しております。私は数年菜食だったのですが、最近になって自分の選択をもう一度考え直そうとした時にこのブログに行き着いて(とても勉強になります)、動物性食品を再開したところです。肉はまだ手をつけるのをためらっていますが。
    「ある意味で、数年経った今でも、その影響に苦しんでいるのかも。」よくわかります。菜食になってから久しぶりに実家に帰った時、母がつくってくれた料理をあれもこれも食べられない、と言うのは気持ちのよいものではありませんでした。

    多くの人が食に関することでももっと事実を知って、それで選択したならいいと思うのですが、知らないで盲目的に牛乳はカルシウムが豊富だから!なんて人が日本はまだまだ多いです。数年菜食を続けていても「えっじゃあ何食べてるの?」というようなことは日常茶飯事でした。菜食の人でも「肉は悪」みたいな人もいますし。

    「おいしい」って素直に感謝してなんでも食べられたら本当に幸せですよね。。

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  5. 自然な本能がちゃんと機能している動物の場合、その時食べたいものを食べたいだけ食べて、それが一番、健康にいいんだと思います。それが、その時、一番おいしいものだし。でも、現代人は、そんな本能が衰えているから、好きなものを食べていい、といわれたら、手頃なお菓子を食べてしまったり、それも食べ過ぎて、不健康なほど太ったり。頭でっかちになってしまったから、素直に自分の本能の回復をはかる、なんていうのも、すぐには難しいでしょう。

    環境問題に関しては、自分の目の前の人に優しくなれないのに(あるいは、優しくする意志がないのに)、地球に優しく、と叫ぶのは、どこかヘンな気がします。

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  6. 食の話なんだから

    ・温暖化(これは地球科学の話であって食の話ではない)
    ・かわいそう論(動物食べるのがかわいそうなら、植物食べるのもかわいそうじゃなきゃおかしい)
    ・人口問題(これは政治・社会的な話であって食の話ではない)

    この辺全部、食の話ではないと思います。

    本質的には、栄養とか健康とか嗜好の話をするのが
    真っ当な食についての話だと思います。

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  7. 「動物などという野蛮な生き物は、どんどん殺して食べればよい。
    逆に、植物のように二酸化炭素を酸素に変えてくれて
    地球を、太陽系唯一の「緑の星」たらしめている貴重な生き物を食べるなんて
    地球環境を破壊するつもりか!」

    っていう主張が出てきてもいいはずなんですけどね。ほとんど聞かないのはなぜ?
    やっぱりみんな洗脳されてるんだなぁ…と思いますな。

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  8. 食の話は、当然、私たちの生命維持と健康の話ですし、それに関連して、環境や政治、経済の話が出てくるのは、当たり前だと思います。むしろ、食料のはなしだけに限定する方が、無理なんじゃないでしょうか。ものごとは、複雑に絡み合っているもので、ある一点だけを取り出すと、理解に無理が出るでしょう。



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  9. 洗脳というよりも、人間も動物なので、自分と似たものを殺すことに抵抗があるのではないでしょうか。わたし、この間、アサリの酒蒸しを作りましたけど、生きた貝を熱い鍋に放り込むことには、何の抵抗も感じませんでした。ヘンですよね、お店で牛肉を買ってくるより、よっぽど残酷な行為でしょうに。

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  10. 温暖化とか人道的なこととかはいろんな意見があって平行線になるので議論は無駄だと思いますので個人的にはどっちにも賛同しません。

    ひとつ正しいことは人口問題もあって数十年以内に食糧危機が起こる可能性は大だということ。
    そのときに動物の肉を食べることなどありえません。
    植物性蛋白や無脊椎動物や微生物(昆虫やオキアミ、ビール酵母など)で代用するしかありません。
    生涯糖質制限を続ける人で肉、魚のみを主に食している人たちはどうするつもりなのでしょうか?
    私は食糧危機に備えてなんでも食べるようにしています。
    現在豆が主な蛋白源ですがなつかしのイナゴ、蚕の佃煮もうまいですよ。

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  11. レクチン除去食の記事にも、コメント下さった方ですね。
    私は、今、このレクチン除去食の後の復食中ですが、豆(大豆以外)は、割といいようです。
    食料危機になった時どうなるのか?豆や虫ならあるのか?私にはよくわかりません。できれば、そうならないうちに、記事に書いたような自然な人口減少がおきるといいな、と思います。

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  12. 発展途上国の状況を考えると人口が減るということはあまり考えられないですよね。残念ながら。
    その途上国の平均寿命も延びていくでしょうし。
    でも、人間の人口は理屈的には飽和していないようですよ。
    昔大学の生物学の教授がいってましたが、かつて恐竜の時代には足の踏み場もないほど生物が爆発的に繁殖していたそうで、今の人間なんて大したことないそうです。
    信じられないかもしれませんが現在でも地球の生物の8割程は昆虫はじめとする無脊椎動物らしいです。
    こいつらを食い尽くすことはまずできないでしょう。
    また豆、芋は肥料がなくてもどこでも育ちますから戦中のように空き地すべて豆、芋を植えていけば人類が現在の4倍に達しても食べていくことができるらしいです。
    要するに芋、豆、昆虫といった食料を活用していた戦中の日本人は未来の食生活を先取って実践していたわけです。
    健康食で世界を風靡した日本ですが、こんなところでも進んでいたんですよね。
    すごいなあ日本人。

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