2012年9月27日木曜日

加工食品って、そもそも何なのか

前回に続いて、「本当の食べ物」「自然な未加工の食べ物」とはなにか、ということについて。

インスタントラーメンや袋詰めのスナック菓子が、加工食品であることは、誰にでもわかるだろうけど、もっと細かくみていくと、何が加工食品なのか、というのは、結構難しい問題だ。

「加工」とひとことでいっても、いろいろだから。調理だって加工の一種だし、健康にいいといわれている発酵食品だって、加工食品のひとつだ。ここで問題にしたいのは、第一に、ここ100年くらい、特に戦後、もっというと1970年代くらいから盛んになった、大企業による化学的な加工、および、不自然な農業、畜産業のこと。第二に、もう少しさかのぼって、産業革命以後に始まった食品加工のこと。

調理や発酵は、有史以前からしている加工なので、ここでは問題にしない。

生き物のからだが、環境に適応するのには、かなりの時間がかかると思う。だから、より昔から、長い間食べ続けてきたものほど、食べて安全だと思う。

ただ、毎日の生活には、ある程度の便宜も必要なので、加工度のどのへんで、これはオーケー、と線引きするか、は、各人が決めることだと思う。

:これは、自然でしょう。問題は、卵を産んだ親鳥が、自然な環境の中、本来のエサを食べて、健康に育っていたかどうかで。つまり、自由に外を駆け回って、草(当然、農薬とか使っていないところの草)を食み、虫をつつき、砂浴びしたり、日光浴したりして、健康に育った鶏の卵がいい。もっというと、その鶏は、ヘンに品種改良とかしていない、昔ながらの品種がいい。

乳製品:これは、結構問題が多い。牛(やヤギやヒツジや水牛)の乳を搾って、そのまま飲む人って、あまりいないだろうから。お店で売っている乳は、滅菌加工してあるし、脂肪分が固まらないように、ホモゲナイズさせてある。ホモゲナイズっていうのは、脂肪の分子をうんと小さくするために、高圧で、細かいメッシュを通すんだそうだ。そういう加工をすることで、本来、乳脂肪に含まれているさまざまな油溶性ビタミンなどが、変成してしまう、というひともいる。

それから、年中、牛が授乳する状態にしておくため、ホルモン剤を与えるらしい。これ、女性として、聞いていてつらいよねえ。乳を搾り尽くされていく牛サン。いや、気分的なものだけでなく、残留ホルモン剤が気になる。

もちろん、卵のところでも書いたように、乳を出す動物が、本来のエサを食べ、自然で健康的な環境の中で育っているか、昔からの品種か、とかも問題だ。

ヨーグルトやチーズなど、昔のままの発酵過程だけのものは、まあいいけど、今のヨーグルトやチーズには、安定剤とか香料とか、入っているものもあるので、注意が必要。プロセスチーズは、加工度の高い、新出来の食べ物。

クリームからバターを作り、バターからギーを作るのは、脂肪分を抽出しているだけだから、いいと思う。

アメリカの料理によく出てくるバターミルクは、本来は、バターを作った後の水分のことだけど、今、お店で売っているバターミルクは、それとは違う加工法で作られる。だから、ちょっと??。

低脂肪乳っていうのも、一見、健康的?だけど、ここ最近の加工技術だからね、信用できるのかどうか。粉乳もそう。

:ハム・ベーコン・ソーセージは、添加物たっぷりなものはもちろん、比較的良心的なものでも、燻煙という加工をしてある。これって、どの程度の歴史があるんでしょうかね。

普通にいう肉は、自然だけど、卵や乳製品と同様、その動物の生育環境、エサ、品種の問題。抗生物質や成長ホルモン剤などの薬品づけの動物って、昔は存在しなかった。

魚貝:肉と同様。魚の養殖、っていうのは、近年始まったことのはず。

干物は、昔からの加工法だけど、それは、自然塩で天日干しにした場合のこと。今、市販されている干物のほとんどは、添加物入の機械干しだ。

練り物(かまぼことかちくわとか)も、あやしい。もともとは、魚肉を練って蒸しただけの物で、加工度は比較的低いはずだけど、今、市販されている練り物は、工場で添加物を使って作っている。

野菜・果物:基本的には、自然。ただ、畜産業と同様、農業も、汚染されているので、農薬とか、ポストハーベスト用の薬品とか、irradiation とか、心配はつきない。

市販のジュースは、加熱加工してあるので、自分で野菜や果物を絞って作るジュースとは、別物。

漬け物も、昔ながらに、ちゃんと発酵させた物は、普通に市販されていないんじゃないのかな。普通に売っているのは、いわば、漬け物もどきの加工食品。

穀物:脱穀も加工のひとつで、だから、私見では、穀物は野菜や果物に劣る、と思うけど、まあ、これは、大昔からしていることだから、いいことにしよう。製粉も加工のひとつで、だから、強いていえば、パンや麺類は、穀物そのものを料理する場合(ごはんを炊くとか)より、加工度がひとつ高いことになる。もちろん、精白も、加工のひとつで、これは、産業革命くらいから、一般化した、比較的新しい加工法だ(それ以前は、一部の人しか、精白したものは食べられなかった)

コーンフレークなどの、いわゆるコールドシリアルは、最近の発明。あれは、穀物の粉を水で練った物を、高温高圧で、型を通して作るのだそうだ。

豆類:昔からの料理法では、豆を煮るときは、茹でこぼしてアク抜きするよね。つまり、そういう加工をしないと、食べるのに適さないものだ、ということ。

味噌やしょうゆは、昔ながらの発酵だからいいとして、豆乳はどうなんでしょうね。大豆タンパクで作った肉もどきに至っては、間違いなく、最近の加工食品でしょう。

砂糖:サトウキビや甜菜から、砂糖を作るのは、何段階にも渡る、加工だ。一般人が、砂糖、それも白砂糖を食べるようになったのは、産業革命以後、特にここ数十年のこと。

人工甘味料は、いうまでもなく、加工品、というより、薬品。

その他の調味料:海水を乾かして作った天然塩は、加工度が低いけど、塩化ナトリウムは、工業製品。同様に、果物などを酢酸発酵させて作った酢は自然だけど、工場で作られる酢は、別物。

味の素とか、そういう人工の物を使った調味料に関しては、今さら書くまでもないでしょう。どんなに気のきいた宣伝をしようと、加工食品は加工食品だ。

:オリーブやゴマのように、油脂分の多い物は、石臼で加圧するだけで、油が採れるけれど、大豆とか、コーンとか、多くの植物油は、もっと複雑な抽出方法があるんだそうだ。こういう植物油が一般的になったのは、ごく最近のこと。

マーガリンが健康にいいと思っている人は、もういないと思うけど、ああいう、本来液体の植物油を固体にするのは、戦後の加工技術。トランス脂肪酸なんていう、本来存在しないはずの物ができてしまう。

嗜好品:日本酒やワインを作るのを、ビデオで見たことあるけど、結構複雑な加工のようだ。どうしても、なら、添加物の入っていない、昔ながらの醸造法の物で、できれば、ローカルな物がいいのではないかしら。

蒸留酒の歴史は、あまり長くない。産業革命以前には、始まっているけど。

コーヒーは、豆を焙煎して、粉にして、湯を注いだ物。まあ、比較的、加工度は低い。ただし、カフェインレスは別。カフェインを取り出すために、薬品を使うから。だから、どうしてもコーヒーを飲みたいなら、オーガニックの、レギュラーのコーヒーを飲む。カフェインが心配なら、飲まない。

:蛇口をひねれば、いくらでも水が出るのは、本当にありがたい。でも、飲む水は、上水加工していない、できるだけ汚染されていない地域の天然水が欲しい。

冷凍食品、缶詰、レトルト食品など:これ、全部、加工食品であるには違いない。ただ、強いていうと、素材を急速冷凍しただけの冷凍食品は、比較的、加工度が低いはず。

出来合いの総菜や外食:こういってはナンだけど、何を使っているかわかりません。


チョコレート。カカオは、3000年前くらいから栽培されているそうだけど、それは、今でいうホットチョコレート状の飲み物にするためで、板チョコの加工法ができたのは、200年弱前。当然、加工食品なんだけど、他のややこしいお菓子に比べれば、わかりやすい気がする。

写真のは、85%カカオのダークチョコで、材料は、カカオ豆・砂糖・カカオバター・ヴァニラビーンだけ。乳製品も大豆レシチン(乳化剤)も使っていないので、私でも安心。

お店でよく見ると、このへんも、上のと同様、カカオ豆・砂糖・カカオバター・ヴァニラビーンだけのオーガニックのダークチョコだった。食べ比べてみよう。


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