2013年1月26日土曜日

「超」糖質制限食の危険

Perfect Health Diet という本を読んでみた。これまでに読んだ健康と食事に関する本で、一番、よく書けていると思う。学術論文をよく読み込んでいて、視点にヘンな偏見がない。

本の方が、順に説明されているのでわかりやすいけど、リンクしたブログにも、内容のほとんど(プラスα)書かれているので、そちらを読むのもいいかも。

いろいろとおもしろいことが書いてあって、全部紹介するのはムリなんだけど、基本的なスタンスとして、食べ物/栄養素のほとんどは、ある一定量はとらないと欠乏の問題が出るけど、とり過ぎても、毒になる、というのがあって、これ、考えてみれば当たり前なんだけど、よく誤解されている気がする。

なにか(それが、動物性脂肪にせよ、糖質にせよ)を一方的に悪者にして責めるのって、わかりやすいじゃないですか。同じ食べ物が、量によって、敵にも味方にもなる、というのは、繊細なバランス感覚を要するから。

例えば、糖質。糖質を取り過ぎて血糖値が急上昇すれば、インスリンも大量に必要になり、からだに負担になる。なぜ、インスリンがあわてて出てくるか、というと、必要以上の糖は毒になるからだ。

そこに着目して、糖質制限食の人たちは、「糖質は、いらない。少ないほどいい」というんだけど。どうもそうではないらしい。しかも、問題が出るのは、脳だけではない。

脳は、ケトン体をエネルギー源にできるので、とりあえず、オーケーなんですよ。(ケトン体は、脂肪から作られる。ただ、ケトン体の材料になりやすいのは、短鎖と中鎖の脂肪酸で、それが足りなければ、やはり問題が出てくる)

だけど、他に糖を必要としているものがある。例えば、粘液を作るのには糖が必要。糖質の摂取が極端に減れば、からだはあれこれ節約しようとして、粘液の生産量も減る。粘液の相当量は、消化管にあって、消化器を保護している。つまり、粘液が足りなくなれば、リーキーガットとか、もしかすると消化器系のガンとか、になる危険が増える。(Perfect Health Diet ブログの、この記事ですね)

粘液は唾液や涙にもなる。糖質制限していて、ドライマウスやドライアイになった人、いるんじゃないかな。

これは一例で、糖分は、他にも体内でいろいろな役に立っているらしい。

でも、だからって、糖質をとり過ぎてはダメなのよ。この作者は、目安として、総エネルギーの20−30%を勧めている。日本を含めて、ほとんどの国での一般的な摂取量は、50%前後だから、ゆるい糖質制限食ではあるわけ。

この記事で引用した日本の糖質制限食の、糖質12%よりは、多いですが。

糖質に関しては、量だけでなく、内容というか、分解した時に、果糖が少ない方が、安全らしい。だから、ブドウ糖に分解するデンプン質は、比較的安全だけど、砂糖(つまり、ショ糖=ブドウ糖+果糖)の摂取は要注意(また、果物少し食べるくらいは、オーケーだけど、果物ジュースは要注意)

なぜかというと、ブドウ糖はそのまま、からだのどの細胞でも使えるけど、果糖は、肝臓が処理しないといけないから。

この本の基本スタンスのもうひとつに、まず、毒になるものをできるだけ食べない、というのがある。一般には、「からだにいい」成分に着目するけど、どれだけいい成分があっても、毒になるものもあるものは、避ける。毒を分解して体外に出すのは面倒だから。対して、栄養素は、他のもっと安全な食べ物から取ればいいから。

毒って、農薬とか添加物以外にも、食べ物にあるのか?あるそうです。特に植物は、自分の子孫を残すために、種に多少の毒を含ませて、虫や動物が食べないように、あるいは、食べても消化されずに出てくるようにするわけ。

この作者が特に注意を促しているのは、
  1. グルテン
  2. 植物の種実からとった油
  3. 果糖
です。

この本、日本語に訳したら、受けるんじゃないかな。だって、比較的安全な糖質として、白米をあげているから。(玄米、じゃないです。そのへんは、私も以前に書きましたが。どうしても玄米がいい場合は、発芽させると、より安全になる)

最後に、コメはパレオダイエットではないよね、と思った方ーーそのとおりです。ただ、この本によると、原始人は、結構、糖質(山芋や百合根などの根菜)を食べていたようです。どうしてわかるかというと、炭素同位体の組成が、果物と根菜では違うからだそうです。

(わぁー、アイソトープ分析!かっこいい、と、はるか昔、生物学を専攻しようかと思っていた私は、感懐深いです♡)

追記
はじめにリンクしたブログで、糖尿病についての記事を見つけました。糖質制限食をしている人の中には、糖尿病を気にしている人も多いと思うので、参考にできるようにリンクはっておきます。


菜飯と、イワシと、白菜の汁物。菜飯には、赤藻(dulse ) も入っている。

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